遺してくれたものから学ぶこと

考え方・疑問
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3月14日(月)、父方の祖母が亡くなりました。
95歳でした。

……これで、僕の祖父母は全ていなくなってしまいました。

15日(火)は友引で葬儀を行えないため、昨日16日(水)に葬儀を行いました。

 

僕が子どもの頃から祖母は病弱で、逆に祖父は年齢からは信じられないぐらい、とても元気な人でした。

だから僕は、
「祖父は絶対に100歳まで生きる」
「祖母は、祖父ほどは長生きはできないだろう」
と、正直なところ思っていました。

しかし実際には、祖父は2年前に96歳で亡くなり、祖母は3日前に95歳で亡くなりました。

 

世間一般的には、どちらもとても長生きだったと思います。

しかし、僕にとっては祖父の死は信じられず、逆に祖母は肺炎などの幾多の危機を乗り越えて、本当によくがんばったと思います。

 

祖母は物静かな人で、僕にああしろ、こうしろとは言いませんでした。

逆に祖父はわりと細かい人で、僕は物心つく前から、祖父から細かいことをいろいろと言われて育ちました。

 

ふと、祖父が僕に常々言っていたことを思い出しました。

それは、「お前がおじいちゃんになった時、儂からしてもらって良かったと思うことは孫にしてあげなさい。逆に、良くなかったと思うことは、孫にはしないようにしなさい」というものでした。

それをその場で聞いていた母は、「おじいちゃん、まだ孫どころか子どももおらんのに……」と笑っていました。(^_^;)(笑)

 

それから月日が経ち、孫ができるのはまだまだ先ですが、娘が生まれて僕も一人の父親になりました。

幸い、祖父にも祖母にも曾孫を見せることができ、その点は本当に良かったと思っています。

 

今思い出すのは、前述した「祖父がいつも言っていた言葉」です。

僕は多分、娘(現在5歳)が小学校や中学校に上がっても、「勉強しろ!」とは言いません。

……自分が言われて、嫌だったからです。(^_^;)(笑)

 

その代わり、いつも娘に言っていることがあります。

「なぜなのか、考えろ」と。

家で何か工作をするときもそう。
道場で練習するときもそう。

 

イロハをまるで知らないことに関しては、やり方を細かく教えます。

しかし、後はいつも
「なぜこう作った方が強いか、わかるか?」
「なぜこう蹴るのか、わかるか?」
といった感じです。

答えをすぐには教えません。
先に必ず、理由を考えさせます。

 

最近のことですが、娘が「パパ見て!」と壁を使った蹴りを見せてきましたが、得意な右だけではなく、ちゃんと自分から、左右とも見せてきました。

 

「全ての蹴り技を、左右とも同じように蹴れるようになりなさい」という僕の教えと、その理由を自分で考えさせたことが、娘の中でちゃんと根付いているのかなと思いました。

 

世の中には、いろんな親がいます。

昨年、娘と一緒にあるフルコンタクト空手の大会を観戦に行った時、非常に残念な光景を目にしました。

それは、試合に負けた子どもに対して、「なんであそこで上(頭部)蹴らんかったんや!」と親が怒鳴っていたことです。

 

確かに、少年部の試合なら上段蹴りをしっかり当てさえすれば、たとえ軽くても審判は「技あり」を取りますし、それを2回当てれば「合わせ一本勝ち」で試合終了です。

また、「技あり」を取って判定に持ち込めば、自動的にその試合は勝ちです。

しかし、僕はその試合を最初から見ていましたが、その怒鳴られていた子どもと相手選手との実力差や相性、試合の流れ等を考慮しても、「上段蹴りをしっかり当てる」のは困難だと思いました。

 

試合に負けて、所属道場の先生からも怒られる上に、「どう見ても格闘技経験がない無知な親から、机上の空論で怒鳴られている子ども」を見ると、とても気の毒だと思いました。

こうして、「経験が無いことをわかったように言う愚かな親」のせいで、ほんの少し助言しただけで見違えるように強くなれる子どもたちが、嫌気が差して辞めていくことが多い。

残念ながら、それが現実です。

 

僕自身も子どもの頃、空手の試合で負けた後に父親から怒られ、
「経験が無いあんたに何がわかる?」
と思ったことがあります。

……いやー、苦い思い出です。(^_^;)(笑)

 

ですので、大会に出場している子どもの痛みや恐怖を理解するために、「自身も大会に出場する」とまではいかないまでも、今まで格闘技経験が無いのに子どもと一緒にその格闘技をやっているお父さんを見ると、「偉いなぁ」と思います。(*^-^)b

 

先日の投稿でも書いた通り、僕は愛媛県選手権で、娘に僕のセコンドをやらせました。

次の大会でも、やらせます。

 

父親も娘も現役選手で、お互いにセコンドに付く。

子どもが選手をやる頃には、普通親は引退しています。
ですから、これはなかなか無いことだと思います。

 

僕があえてそれをやらせることには、いくつもの理由があるのです。

 

娘には常に「なぜなのか」を考え続け、選手としても武術家としても一人の人間としても、僕を遥かに凌ぐ存在になってほしいと思います。

それが、祖父が遺してくれた言葉から、今の僕が思うことですね。(^-^)

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