内容的に似たような部分があるので、「その2」として前回の続きです。
一昨日、同じ会社の後輩が、僕にこんな話をしました。
例えばある人が若い頃に一生懸命野球をやっていたとして、それでも残念ながら甲子園に行けなかったとします。
その人が結婚して息子ができたとき、父親と同じように野球を始めました。
父親は自分で野球教室をやるほどの余裕は無いので、当然どこかの教室に習いに行かせました。
そこで、その教室の監督が指導しているにも関わらず、父親が横からああしろこうしろと口を出すと、息子はどうすればよいのか、当然戸惑います。
だから、野球教室は最初から「保護者は練習中、口出し禁止」としているところが多いそうです。
なるほど。
また、口を出してはならない理由の1つとして「例えばバットの振り方1つを取っても、昔とは教え方が変わってきているから」ということが挙げられるそうです。
格闘技やスポーツではありませんが、身近な例で言うとこんな話があります。
遥はそろばんを習っています。
僕が「やっておけばよかった」と思う習い事の1つで、とても良いことだと思います。
ある日、遥の祖母(僕の母)がそろばん教室の先生にこう尋ねました。
「先生、家でもそろばんの練習をさせてよろしいでしょうか?私がずっとそろばんをしていましたので……」
先生の回答は、「しないでください。そろばんは、昔とは教え方が変わっています。違うやり方を教えると、子どもが混乱します」というものでした。
そこで遥の祖母は、「わかりました」と家では一切教えませんでした。
子や孫のレベルアップを望むなら、それが当然だと思います。
「自分が叶えられなかった夢を、子どもに叶えてほしいから熱が入る」というのはわかりますが、それがかえって子どもにとってはマイナスとなり、他の子どもたちより遅れをとってしまうことになります。
教室だけでなく、自宅でも一生懸命練習しているにも関わらず、です。
そこで例えば「高い月謝を払っているのに、うちの子どもはレベルが上がっていないじゃないか!指導のやり方が悪いんじゃないのか?」とばかりに保護者が指導者に詰め寄ったりしようものなら、それは本末転倒というものです。
上記の場合、レベルが下がる原因を作っているのは、保護者自身だからです。
「それは全国のどこの教室でも、永遠のテーマですよ」と後輩は言いましたが、確かにその通りでしょうね。
「保護者は道場のお客様? その1」を読んでいただいた方の中には、指導者の方も保護者の方も多く含まれており、貴重なご意見をいただきました。
そこで僕が思ったことは、
「保護者は昔、子どもと同じ競技をやっていたとしても、昔とは教え方が変わってきていることを正しく認識し、指導の足を引っ張るような口出しをしてはならない」
「指導者は『素人は黙ってろ!』とばかりに保護者の意見に全く耳を貸さないのではなく、子どもや保護者のレベル・個性をよく理解した上で、各自に合わせた指導をしなければならない」
ということです。
それこそが「その1」の最後でも書いた通り、「道場(指導者)、選手(子ども)、保護者(親)が三位一体となって、常に上を目指してレベルアップし続けていけるような体制」につながるのではないかと思います。
今のご時世、なかなか難しいことなのかもしれませんが、可能な限りは実現させられるよう、そこに挑み続けたいと思います。
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