ボクシングにおいて、左ジャブや左フック(左手が前の場合)が非常に重要であるのと同様、テコンドーにおいても「前足」は非常に重要です。
いわゆる「リードブロー」ですね。
これが下手だと、勝っていくことは不可能だと言えます。
1月21日(日)に千葉県で行われた全日本テコンドー選手権における試合の情報や試合VTRが、各方面から入ってきています。
それらを聞いたり見たりして思ったのは、「前足だけを磨いても、もう通用しない」ということです。
・ 相手を押すのがOK
・ モントン(中段蹴り)が2点
現行ルールにおけるこの2つが大きな要因ですが、「前足だけが得意な選手」がその穴を突かれて敗れたという試合を、今回の全日本選手権に限らず数多く見聞きました。
「複合的に」練習していかないと、全日本ジュニアでもすぐに通用しなくなると思います。
要するに、「前足だけできれいに勝とうとするだけでは、通用しなくなってきている」ということだと思います。
前足が全盛期だったのは、2012年 ロンドンオリンピックの時だったというのは、異論の余地が無いと思います。
・ カットが無制限(いつまでも相手に向かって足を上げ続けられる)
・ 相手を押すのは反則
・ モントンが1点
現行ルールとは、だいぶ違います。
子どもたちにいつも説明することですが、「選手とルールの関係は、生物と環境の関係に似ている」と思います。
環境に適応できない生物は、絶滅します。
それと同じことが、その競技の選手たちにも起こります。
僕が大学生だった2000年 シドニーオリンピックの頃は「相手のどこに、どの蹴り技を当てても全て1点」というルールでした。
それが今や全く別物だと言い切れるほど、ルールが変わりました。
言葉は悪いですが、「これだけルールがコロコロ変わると、アホな指導者の下では選手は勝っていけない」と心底思います。
・ 情勢を見ずに、自分の考え方を選手に押しつける指導者
・ 自分の好みやこだわりで、練習メニューを決める指導者
・ 選手が結果を出していないのに、真摯に原因を追究しようとしない指導者
こういう指導者の下にいる限り、選手はなかなか結果を出せないと思います。
僕は決して「頭がいい指導者」ではありませんので、いつも道場長代理であるTくんに助けてもらってばかりですが……競技と向き合う姿勢は常に柔軟に、そして貪欲であり続けたいと思っています。
僕が試合に出場し続けているのも、「勝ちたいから」というよりは「重要な実験だ」と思っているからです。
痛みが伴っていないことは現実味に欠け、当然説得力にも欠けると思います。
それでは子どもたちも納得しないと思います。
子どもたちに教えることのおもしろさと、責任を感じています。
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